当サイトの「乗ってます/乗ってました」を書いている最中に気づいたのだが、不肖伊達が輸入中古車を買った際のシーンを再現すると「5分で即決」とか「5秒で即決」というセリフが頻出することになる。
思い返してみるとたしかに、中古車研究家としてのごく初期を除き、私は常におおむね5分以内で、その中古車を買うか買わないかを決めている。そして、最初のMY輸入車である87年式ルノー5バカラを除いては負け知らず――つまり金のかかる故障はほとんどせず、性能や味わい、コスパにも大満足――の状況が続いているのだ。
なぜか。
それは、知らず知らずのうちに自分のなかで体系化した中古車選択術、名付けて「伊達心眼流選術」を、現場で駆使しているからである。まぁ名前は別になんでもいいのだが、とにかくこの「伊達心眼流選術」を会得すれば、新車なぞ買う気になれないものだ。だって、確実にウルトラ素敵なクルマが、(新車よりは)確実にウルトラ安く買えるんですもの!
以下、長くなるが、その技術の概要をここにお伝えしたい。あなたの今後の中古車選びにお役立ていただけたならば幸いだ。
実際の手順とは若干前後するが、ここではとにかく「重要なこと」のみ解説していきたい。で、まず第一に重要なのは、「クルマを見るな、人を見よ」ということだ。
そもそも中古車というのは、「展示場でじっくり見る」ぐらいでは何も見えてはこないものだ。まぁ、リフトアップして下回りを逐一目視した後、「ちょっとラチェット借りますね~」とか言って各部を勝手に分解し、「う~ん、ちょっとキテますねぇ」なんて具合にやれば、さすがに結構な部分まで見えてはくるだろう。だが、そんなことを店の軒先でできるはずもない。ということで、さまざまな部分から全体を「推測」をするほかないのが、中古車選びというものの本質なのだ。
そんなことに時間を費やすよりも、もっと確実かつ簡単な方法がある。それが、中古車のクオリティではなく「それを売ってる人のクオリティ」を判断する――というやり方だ。
その詳しい手法は後述するが、ここさえできれば輸入中古車購入というのは9割方成功したも同然で、またココこそが「伊達心眼流」のエッセンスでもある。
それを売ってる人のクオリティを判断する――というとき、前提として整理しておかなければならないのが「そもそも人のクオリティって何さ?」ということだ。
それはもちろんさまざまなわけだが、こと中古車選びの局面に限って言えば、「店舗スタッフの“商売人としての有能さ”」ということだ。「商売人として有能」と言っても、MBAホルダーっぽい有能さもあるだろうし、「朴訥系で全然やり手じゃないんだけど、あの人とにかく誠実ですよね」という部分で、結果として、下手なMBAホルダーよりも良好なビジネスを築いている――という種類の有能さもある。そしてこの「MBA系」と「朴訥系」の間に、さまざまなタイプの有能さがある。
で、早い話「むむ、おぬしデキるな!」という部分が、どんなカタチであれ強力ににじみ出ているスタッフおよび責任者がいる店を探せば良い――というのが、我が流派の基本だ。
デキる人間は、ちゃんと「計算」ができる。ヘンなモノを詐欺的に売るよりも、それなりに良い物をフェアに販売したほうが、店の長期収支で見ても「人生の収支」で見ても、結局はプラスになることをちゃんと計算できている。だから、デキる店主が経営する店では、それなりに良い物が確実に買える。
半端にデキる人間は、その半端に優秀な頭脳を使ってときに人をダマそうとするが(中古車で言えば、どうにもイマイチな物件を見た目だけキレイにして高値で売るetc.)、本当にデキる人間は、自分のプライドがそれ(=ハンパなダマしに加担する自分)を許さない。だから、デキる店主が経営する店では、それなりに良い物が確実に買える。
デキる人間も、別に宗教家でもなんでもないので、ときに人をダマすかもしれない。だがデキる人間ゆえ、人をダマすとあらば上手に・華麗にダマす。その結果として――たとえば中古車であれば――ダマされた人間はそれに気づかぬまま数年後、シアワセな気分でそのクルマを売却する。
その店のスタッフが――タイプはどうであれ、結論として――デキる人なのか否かを判断するにあたって、一番カンタンというか実戦的なのが、以下の方法だ。
「今、自分が今やっている仕事にもしもその人が加わったら、強い味方になるか? それとも“お荷物”になるか?」
これを、その店舗スタッフのオーラやすべての行動と言動、そして観相学的観点などから推量してみるのだ。
その答えが「うん、イイ戦力になるかも」であるならば、おそらくその人はデキる中古車屋さん。ゆえに、その店でその輸入中古車を買ってもたぶん大丈夫。
逆に、「ちょっとオレの部署(またはオレの会社、オレの店etc.)には要らねえなぁ」という店主や店員であるならば、経験から言ってパスしたほうが無難。
サッカー日本代表の元監督であるトルシエさん風に「私の教科書は500ページある!」とでも言いたい伊達心眼流選術ではあるが(実際、500ページはともかく50ページぐらいはある)、実のところを言えばこの1点だけでも話は済む。すなわち、「自分の職業経験に照らして、その中古車店のスタッフの“職業人的力量”を推し量ってみる。その結果、“良”以上の判定であれば買い検討。“可”であれば慎重に検討。“不可”の場合は別の店へ」と、それだけなのだ。
その他のさまざまな「奥義」については、400勝BLOGのほうでゆっくりと開陳していきます。